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2025.08.20

コラム

ラ コリーナ近江八幡

先日 かねてより行きたかった滋賀県近江八幡にある「ラ コリーナ」を訪れました。

「ラ コリーナ」は、和菓子の名店「たねや」と「クラブハリエ」が手がけるフラッグシップショップです。

単なるお菓子屋ではなく、“自然と人が共生する空間”をコンセプトにした複合施設で、訪れる人々に五感で楽しむ体験を提供しています。

まず目を引くのが、草屋根に覆われたメインショップ。屋根一面に広がる緑が季節ごとに色を変え、まるで大地と建物がひとつになったような景観を生み出します。

自然の中にそっと建物が溶け込み、訪れる人に心地よさと安らぎを与えてくれます。

この建物を設計したのは、建築家・藤森照信さん。藤森さんの建築は「自然と仲良くする」ことを大切にしていて、ラ コリーナもその代表例のひとつです。

屋根に植えられた草は四季ごとに色を変え、春にはやわらかな緑、夏には力強い濃緑、秋には黄金色、冬には枯れ草色と、自然の移ろいをそのまま映し出してくれます。

建物の素材にも工夫があります。

漆喰の壁や木材、竹や銅板など、自然を感じられるものが使われています。

機械的にピシッと揃えられた工業製品ではなく、人の手で仕上げた温もりが感じられるのが特徴です。

お菓子づくりが職人の手仕事で支えられているように、建築もまた「人の手の跡」を大切にしているのです。

館内では、クラブハリエの焼きたてバームクーヘンや、ここでしか買えない限定商品が並びます。

さらに敷地内にはカステラショップやフードガレージ、ギフトショップなどが点在し、

歩きながらそれぞれの世界観を楽しめるのも魅力です。

また、ラ コリーナは“お菓子のテーマパーク”でありながら、自然環境への配慮が徹底されています。

広大な敷地にはビオトープが整備され、生き物たちの居場所を守りながら人が訪れる空間として共存を図っています。

この取り組みは「食の楽しみ」と「自然との調和」を同時に体感できる稀有な場となっています。

観光スポットとして人気が高まる一方で、ラ コリーナは「消費する場所」ではなく「心を満たす場所」であることを大切にしているように思えます。

建築、自然、食、それぞれが調和し、訪れた人の暮らしに小さなインスピレーションを与えてくれるのです。

mariko